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若きウェルテルの悩み:ゲーテ
ゲーテについて
ゲーテは18世紀ごろに活躍してドイツを代表する文豪です。代表作としては、「若きウェルテルの悩み」、「ファウスト」などがあり、小説家以外にも、自然科学者として功績を残しています。
若きウェルテルの悩み
この、「若きウェルテルの悩み」は、大きく分けて3部に分かれています。構成としては、ウェルテルの綴った手紙を集めたのが1、2部。そして手紙では語られなかった部分を語り部が補足するようになっています。
ウェルテルが出した手紙、これは友人、そして思いを馳せるシャルロッテなど、宛先関係なく時系列にまとめられています。そのため、1,2部はほぼウェルテルの独白です。
友達に宛てた手紙では、思いのたけを書き連ねていますが、シャルロッテに対する手紙には、慎ましさや機知に富んだ表現をして、はっきりと想いを記していません。
こういう物語は、ストーリーを要約してしまうと、どうしてもウェルテルの心情など、語られなくてはならない部分が抜け落ちてしまうため、あらすじはそこまで詳しく書かないことにします。ただ、おおざっぱな印象を語っておきます。
シャルロッテに出会うまでのウェルテルの日々は、色彩豊かで穏やかな、ゆったりとした時間でした。当時の雰囲気や、景色がありありと浮かぶようで、やはり感じる空気は日本のものとは違います。そんな中ウェルテルはシャルロッテに出会いますが、それは彼にとって運命のようなものでした。
色彩豊かだった彼の生活は、そこにさらに穏やかな光を加えたように、まさに夢心地の日々になります。しかし、シャルロッテの婚約者の存在や、時折訪れる死の影や、人間関係の不和など、ウェルテルの世界は少しずつ黒い煙が立ち込めるようになってきます。
ウェルテルは非常に純粋、まっすぐな青年でした。シャルロッテへの思いに情欲はなく、純粋な好意と、一種の崇拝心もあったように思います。
この作品で感じるのは、ウェルテルの膨大な熱量です。ウェルテルはシャルロッテを無垢だと表現していたと思いますが、ウェルテル自身も無垢であったのだと思います。
だからこそウェルテルはあの決断をしたのだと思います。ネットで調べればだいたいのあらすじは出てきますが、ぜひ二回以上は読んでほしい作品です。手紙であることに、心を抉られました。
何度でも読み返したい作品なので、是非とも読んで頂きたいです。
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