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ブッダの瞑想法-ヴィパッサナー瞑想の理論と実践-:地橋秀雄

ブッダの瞑想法

 この本では、今から2500年ほど前に、悟りを開いたと言われるブッダが実践したヴィパッサナー瞑想の指南書であり、仏教の入門本と言ってもよいです。実践的な解説があるのはもちろんですが、仏教の概念について、分かりやすく説明がなされています。

 仏教をはじめとした宗教というのは、どうしても超常現象を体系の中に含んでしまいがちですが、原始仏教、インド神話と結びつく前の仏教というのは、単純に修行や知識によって苦しみから逃れようとするものでしたので、神々が登場するのが嫌いな方でも読めると思います。

瞑想とは

 瞑想という言葉を良く聞くようになりました。ヴィパッサナー瞑想、という名前があるくらいですから、瞑想にもいくつか種類がありそうです。昨今聞くマインドフルネスとはどう違うのか、ということにも少し触れたいと思います。

 瞑想とは、特に仏教やインドのヨーガなどで用いられる修行法の一種です。ヨーガについては明るくないので、仏教における瞑想とマインドフルネスの違いについて語ろうと思います。

 瞑想は、例えばヴィパッサナー瞑想においては、ある精神状態に持っていくための行為、という風に理解すればよいでしょうか。その根本、目指す理想というのは、苦のない状態、悟りの状態ですが、その副次的な効果として、集中力があがる、リラックス効果があるなどと言われています。

 マインドフルネスというのは、瞑想の一部を切り取ったものでしかありません。もちろん、マインドフルネスだけでも様々な効果がありますから、ダメだと言っているわけではありません。

 ちなみに、禅の考えだったかあやふやではありますが、仏教の論理体系を理解した上で、座禅をすることによって悟りを開けると言っていたように思います。意識が散乱した状態が悟りであるならば、夢を見ている人は誰もが悟りを開いていることになるからです。

ヴィパッサナー瞑想とは

 先ほど、意識が散乱した、といいましたが、ヴィパッサナー瞑想に限らずマインドフルネスにおいても、「今ここ」の意識に集中します。正確には、意識も入らずに「今」にだけ集中する、といった方が良いかもしれません。

 具体的な実践方法については、この本に書いてあるので、詳しくは言えませんが、自分が認識した、知覚したことに対して気付くこと、これがヴィパッサナー瞑想です。以下瞑想としますが、瞑想においては、「気付くこと」が重要です。

 瞑想というと一つのことに集中するというイメージがありますが、例えるなら、まっすぐ歩くことに集中することだと思います。もし直線上からはみ出したことに気が付いたら、もとの道に戻る。この気付くことを意識することが大事です。次々浮かぶ雑念というか、とりとめのない思いが生じた時点で気付けば、それ以上煩わされることはありません。

 不安というのは、未来のことですが、「今」に集中している分には未来を想うことはありません。これは副次的な効果の一つではありますが、日々不安を感じるという方はぜひ瞑想をやってみてほしいと思います。

 「気付く」ことは、体の動きであったり、自分の考えであったりしますが、それによって自己の理解が深まります。なんのために自分が怒ろうとしているのか、泣こうとしているのかなど、自分の感情に振り回されることが減ると思います。

まとめ

 この短い文章では、瞑想のよさというものを十分に伝えられないと思いますが、豊かな人生を送るために、1日10分程度の時間を割くのも良いのではないでしょうか。

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