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映画「ミスト」感想
ミストとは
ミストは、スティーブン・キング原作の、2007年の映画です。監督は、フランク・ダラボンですが、この他にも「ショーシャンクの空に」、「グリーンマイル」なども手掛けるなど、キング作品を語る上で欠かせない人物です。
さて、このミストという映画ですが、その名の通り、霧が登場します。町を突如謎の霧が覆い、その霧に潜む何かの脅威と、それに対する人々、というのがこの映画の大まかな流れです。
あらすじ
嵐の翌日、主人公デヴィッドは、息子と隣人をつれて町まで買い物へ出かけます。買い物をしていると、血を流した人が店に駆け込み、それを追うように町が霧の中へと沈みます。逃げるようにして店にやってきた人は「霧の中に何かがいる」と叫び、その言葉の通り、霧の中には「何か」が潜んでいたのでした。
霧という恐怖
見た人は分かると思いますが、この映画で最も怖いものは「霧」ではありませんが、やはりこの映画を成り立たせているもの、という点で「霧」は外せないでしょう。霧を見たことがある人はご存知でしょうが、霧は恐ろしい一面を持っています。
霧の写真など、テレビでもインターネットでも良く見かけると思いますが、基本的に、遠くから撮られた写真、または上から撮られた写真です。そこには霧の美しさ、神秘的一面しか映っていませんが、上の写真のように、霧の真っ只中にいることの恐怖は計り知れないように思います。
行く手が見えず、全てのものが色彩を失ったような世界であり、徐々に体温を奪っていく、静かな死とでも言うような面も持ち合わせているのです。人間は、外界の情報の大半を視覚に頼っていますから、それを封じられたときの恐怖は、本能的なものだと思います。では、霧と暗闇は同じような恐怖かというと、それは少し違うように思います。
霧と闇はどちらも同じ性質を持っていますし、どちらも恐怖を感じる空間を作り出すことが出来るでしょう。何が潜んでいるかが分からないという恐怖、方向が分からなくなるという恐怖など、方向性は同じようなものですが、霧と闇とではやはり違いがあります。それは光によってそれを追い払えないということです。
闇は光によって無くなりますが、霧は光が散乱してしまい、遠くへは届きません。また、光をともしたからと言って、辺りがはっきり見えるようになるわけでもありません。どうやっても逃れられないという点が、霧の恐ろしさだと思います。
一方で、霧は夜で無い限り光を含んでいますから、本能的な怖さというのが少し減ります。ただ、明るいのに怖いという奇妙な感情が、神秘的な雰囲気を作り出しているのではないでしょうか。
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