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超ざっくり哲学史「バークリ」

ジョージ・バークリ

 彼は17、18世紀頃にアイルランドで活躍した哲学者であり、聖職者でありました。以前の話からすると少し時代が戻りますが、それは彼の思想が他の二人と比べて異質なものだからです。

思想

 存在することは知覚されることである、という原則に従って考えていたとされます。認識と存在について彼は考えていたわけですが、例えば、目の前に机があるとして、我々はそれを視覚で、嗅覚で、聴覚で、触覚で認識するとします。我々が体験したのは、「机」と呼ばれるものの光の情報や、質感の情報であって、「机そのもの」を認識したわけではありません。「机そのもの」は認識できません。光や音などを介しなければ認識できないわけですが、それは机そのものが持つ情報の一部でしかありません。

 また、彼はそうした硬い、などの認識が起こる原因として、「意志あるいは精神」を考えました。僕たちの観念は外部の「もの」によって出来上がっていますが、その「もの」は物質という本性を持たない、と彼は言います。

 僕たちの思想や観念を作り上げるのは、外の情報と内から出る考え、この2つです。外の情報というのも、結局自己の中に存在する、と言えるかもしれませんが、ここでは外の情報という風に言っておきます。そして、僕たちにとっての物質世界、外の世界を作り上げているのは、そうした外の「もの」、つまり「意志あるいは精神」です。彼はそれは神であるといいました。

 神の存在は物質や人間が存在するよりも明らかに感じられる、と彼は考えました。神は、僕たちに外の情報を取り入れている、と彼は考えていました。我々が世界を認識している原因として神が登場しました。そして、存在するものの全ての原因も神である、としました。

まとめ

 バークリは現実の物質の存在を疑いました。それまでの唯物論を批判するように、そもそも我々は物質そのものが認識出来ていないと彼は考えました。そして神職者だった彼は、哲学の世界の諸原因として神を導入しました。それまでも神と信仰については、哲学の世界で議論されていたことでしたが、キリスト教の体系に反する唯物論の穴を突く、ということをやってのけたのでした。

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